改正航空法に基づき、2022年12月5日より国家資格「無人航空機の操縦者技能証明制度（操縦ライセンス制度）」が開始されました。この制度は無人航空機を飛行させるのに必要な技能（知識及び能力）を有することを証明する資格制度で、現在「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」の2つの国家資格があります。飛行形態が特定飛行に該当する場合、飛行形態のカテゴリーに応じた機体認証（第一種または第二種）とそれぞれのライセンスが必要となります。
一等無人航空機操縦士（Sクラスライセンス）
合格率：55％
技能試験の合格率：50％前後、学科試験の合格率：60％前後
別名、Sクラスライセンスとも呼ばれているこの資格は、法人または個人事業主が無人航空機を商業目的で操縦することができるようになります。例えば、建築現場の計測、土地の測量、ドローンを用いた農薬散布等が該当します。一等無人航空機操縦士の特徴は、第三者の上空で特定飛行を行うことができることです。この資格を取得するためには国土交通省が定める基準を満たし、技能試験および学科試験に合格する必要があります。
一等無人航空機操縦士には、以下のような操縦技能が求められます。
- 空中安全な運航の実施
- 操縦士としての判断力・判断能力の確保
- 飛行計画書の作成と適切な提出
- 空域制限の認識および遵守
- ドローンの安全な操作
- 操縦のための適切な器材・設備の準備
二等無人航空機操縦士（Aクラスライセンス）
合格率：60％
学科試験の合格率：60％前後
別名Aクラスライセンスと呼ばれるこの資格は、国土交通省が定める基準を満たし、学科試験に合格する必要があります。また、一等無人航空機操縦士とは異なり、技能試験の受験は必須ではありません。Aクラスライセンスは、地方自治体が発行します。Aクラスライセンスは、一般的なドローン操縦を目的としています。商業目的での操縦が可能ですが、Sクラスライセンスほど高度な技能や知識が必要ではありません。また、一等無人航空機操縦士は第三者の上空で特定飛行を行うことができるのに対して、二等無人航空機操縦士は第三者の上空を飛行できない点が大きな違いです。
特定無人航空機操縦者
合格率：80％
学科試験の合格率：70％前後、技能試験の合格率：90％前後
特定無人航空機操縦者とは、特定の無人航空機に限定して操縦することを目的とした、日本国内でのドローンの操縦に必要なライセンスの一つです。
特定無人航空機操縦者を取得するためには、国土交通省が定めた基準を満たし、学科試験および技能試験に合格する必要があります。一等無人航空機操縦士や二等無人航空機操縦士と比べ、技能や知識に必要なレベルが低いため、取得が比較的容易とされています。
特定無人航空機操縦者のライセンスを取得することで、特定の無人航空機の操縦が可能になります。ただし、特定無人航空機操縦者が操縦可能な無人航空機には、機体重量や最大飛行高度などの制限があります。
航空法遵守者教育訓練修了者
合格率：N/A ％
航空法遵守者教育訓練修了者とは、日本国内でドローンを操縦する際に必要な、航空法の遵守や安全に関する知識を習得するための講習を受講し、修了した者のことを指します。
航空法遵守者教育訓練は、日本国土交通省が指定する講習機関で実施されています。講習の内容は、ドローンの基本的な知識や法令、空域の利用制限、操縦上の注意事項などが含まれます。講習修了後には、航空法遵守者教育訓練修了証が交付されます。
航空法遵守者教育訓練修了者は、ドローンを趣味やレジャー目的で操縦する場合に必要な資格であり、一定の条件を満たせば、一定の制限の中で、ドローンの飛行が可能となります。
ただし、航空法遵守者教育訓練修了者は、商業目的でのドローン操縦や、特定の無人航空機に限定して操縦する場合には、一等無人航空機操縦士、二等無人航空機操縦士、特定無人航空機操縦者の資格が必要となります。
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